野球のスイングが卓球のフォアドライブに応用できるんじゃないか説 【落合博満編 part1】

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youtubeでたまたま見かけた「名バッターのバッティングを解説!!」みたいな特番の内容が、これは卓球に応用できるんじゃないかと思い立ち上げたこの企画。

私自身は野球にそこまで詳しくないのですがね( ´∀` )

栄えある第1回目は「神主打法」でおなじみ落合博満選手(監督)です。

第2回があるかは分かりませんが、まあ気軽に見てってください←

なぜ落合監督を挙げたかと言うと、体格がゴリゴリなわけでも、大迫力のフルスイングが持ち味でもないのにホームランを量産してしまう落合監督の打法に、何か魔法めいたものが隠されているのではないかと思ったからです。

本人が打法を解説しているyoutubeの動画があったので、その中で解説されている落合監督の打法のポイントが卓球に応用できそうか検証していきます。

※分かりやすくするため、落合監督の発言、またはそのような主旨の発言をした部分はドラゴンズカラーにしていきます(ドラゴンズであることに理由はないのであしからず)。

この動画(29:06頃~)で卓球に応用できそうなのは以下の5点

www.youtube.com

現在は動画が削除されてしまってますね。

「戦え!スポーツ内閣」の2017年12月30日の年末スペシャルの回です。

各自でどこかで映像を見つけてみて下さいm(__)m

1.一直線スイングではなく、予備動作アリの腕のしなりを活かしたスイング

最短距離で一直線に球に向かっていくスイングよりしなりを使ったスイングの方が打球時のスイングスピードは速い(鞭と同じ)ということです。

腕をしならせるためには、当然腕の余計な力を入れないこと、つまり「脱力」が重要。

卓球・テニス・ゴルフなどでも「ギリギリまで脱力して、打球の瞬間にだけ力をこめる」というのは定番ですよね。

また、(スムーズに動かせるなら)スイングは長い方が良い(=スイングを加速させられる)というのも面白い考えだと思いました。

この考えについては後ほど補足。

2.ヒッチ(打球直前のグリップ位置の上下運動)とコック(打球時の手首の返し)を使う

ヒッチ=打球直前の予備動作

コック=打球時のバットのヘッドの回転速度を速める=打球時のバットの速度UP

落合監督が「脱力」と同じかそれ以上に重視しているように感じたのが「予備動作」でした。

まずヒッチですが、予備動作として一度反動をつけた方が楽にスイングスピードが出せる」というのは卓球界でも最近は常識ではないでしょうか。

サーブや、特にチキータの解説の際に良く言われますよね。

また、「神主打法」の特徴でもある「体の正面付近でゆったりバットを構える」「バットのヘッドが垂直~前傾」というのも「脱力」の結果でもあるし、実際に打球時の落合監督はバットを右肩辺りまで引いていますし、バットのヘッドが後傾状態まで動きます(=手首が親指側に曲がる)から、予備動作のためのスタート状態が神主状態になってる感じがしますね、勘ですが( ー`дー´)キリッ←

《打球前のフォーム》

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※3画像とも別々の打席のものですが、打球直前・直後は対応しています。

時期によって手首の角度は違うようですが、基本的にバットのヘッドは垂直か前傾する(=腕とバットが作る角度が90度以上)神主状態ですね。

横からの画像を見るとそこまで体の正面ではないみたいですが、左足が浮く前の本当にバットを構えた直後だったらもっと体の正面にあると思われます。

肘・脇もそこまで締まっていないので、バットは少し体から遠めです。

《打球直前のフォーム》

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しっかりとバットは右肩近くまで引き寄せられていますね。

なにより、打球前とは違い腕とバットが作る角度が45度近くまで一気に変化しているのが良く分かります。

コックについては、打球時に瞬間的に手首を返すということでかなりタイミングや力の伝え方が難しそうなテクニックなんですが、この一瞬の加速も上手く打球に伝えられるところが落合監督の凄いところなんでしょうね~

ヒッチとコックを巧みに使うことで予備動作が加り瞬間的にスイングを十分加速させることが出来るため、打球直前に(ピッチャー的には)ヒュッと出すだけでも速さのあるスイングに繋がるんでしょうね。

「スイングは長い方が良い」というのはスムーズな予備動作は、バットの描く軌道自体は長くなるかも知れないが、最終的にスイングスピードの速さに結び付くということでしょう、たぶん( ー`дー´)キリッ←

3.左肩はセットしたら動かさない

「腰を捻る時に左肩を入れるとホームベースが実質移動してしまっているようなものだからボール・ストライクの選球が出来なくなる」とのこと。

左半身を入れる捻りの動きは、「(打球直前に)左膝を少し中に入れてからステップ」だけ。

実際に↑の画像を確認してもらうと良く分かりますね。

左肩を動かさないので、バットを引いた時に左肘が良く伸びているのも見て取れます。

敢えて体をあまり捻らず大きなバックスイングも取らないので、ピッチャーはタイミングを外すことが出来ず、バットが急にスッと出てきたように感じるそうです(その他にもそう思わせるポイントがあるんでしょうが)。

卓球は野球と違って体が相手方向を向いていますから、「左肩を動かさない」というのは通常の卓球人にとっては体の回転が使わないことと同義なので取り入れることは無理でしょうが、「打球ポイントを確認しやすいスイングをする」という点は共通して重要に思います。

強い卓球選手のスイングは「体は回転していても頭はあまり動かない」という特徴がありますが、同じ理屈だと思いますね。

例えば、馬龍なんかはフォアドライブ時にかなり大きなスイングをしますが、頭はあまり動いておらず、頭とそれに繋がる背骨のラインを中心に体が回転しているのが良く分かると思います。

www.youtube.com

私の場合、打球時に頭(というより上半身全体)がスイングについていって大きく動いてしまうというクセがあるので、これは私のスイングでもすぐに取り入れて改善せねば・・・

4.手から先に振り出す

体(=腰)は手よりも回転が速く行えるので、体の回転からスイングを始めると、(体の向きは早々に打球ポイントまで到達してしまうのに対して手は追い付かないため、)打球ポイントが後ろにズレれしまい力は上手く伝わらず、無理に打とうとすればドアスイングになってしまう。

また、顔は体と同時に回転しているので打球ポイントが後ろにずれて打球ポイントが見えなくなり、球を正確に捉えられない。

ということですが、この説明には目から鱗が落ちました!

この部分は「腰を回すことを意識すると体が開いて打球ポイントが後ろになって上手く強打出来ないんだけど・・・」という私の疑問にドンピシャ答えるものでした。

この説明の直後に「打球時に体が開くことも振り遅れの原因になるからダメ」という話もしていて、私の疑問は綺麗サッパリ解決されてしまいました(笑)

↑で「左膝を中に入れて~」という解説もあるので、おそらく落合監督は「左肩を入れないことによる打球調整のしやすさを考慮すれば、腰の回転は打球のまさに直前くらいに左膝を中に入れて打球時に瞬間的に効かせれば十分」と考えていたということではないでしょうか。

動き自体をそのまま卓球に取り入れるのは無理ですが、この考え方は早速取り入れねば・・・

5.体は開かず、スイングに合わせて自然に体を回転させる

先に少し書いてしまいましたが、体が開いてしまうと力が上手く伝わらなかったり手が遅れてドアスイングになってしまったり良いところナシです。それは分かります。

しかし、体を閉じること・振り遅れないに意識がいってしまうあまり重心移動させるステップさせた左足を着地で止めてしまう(着地後もつま先をバッターの正面方向から変えない)ことも落合監督曰くダメ、しかも「膝を壊すとのこと。

野球業界では「前に壁を作る」というらしいですね(私は初耳でしたw)

確かによく考えれば当たり前で、体はスイングと同様に反時計回りに回転しているわけですから、そこでステップした足を止めてしまったらスイングと逆方向へのつっかえになってしまいます。

そのうえ、上半身は回転しているのに足を止めたせいで下半身は正面を向いて急停止してしまうため、接合部である膝が捻じれて負荷もかかってしまいますね。

落合監督曰く「左足は(踵あたりを中心に)スイングに合わせて回してしまえば良いだけ」とのこと。

確かに外国人選手の豪快なスイングも、見返してみるとステップした足の踵を中心につま先がスイング方向へ回転しているのが分かります。

戻りが非常に重要な卓球のスイングにおいて踵あたり(つまり足裏の後方部分)に重心を置くことはあまりよろしくないわけですが、確かに私は無意識に左足の回転が小さくなってスイングの力を弱めていることが多くありました

またまた登場する馬龍選手ですが、彼がフォアドライブを打つ際に左足を良く観察してみてください。

足裏の前方部分を中心にスイングに合わせてつま先が勢い良く回転しているのが分かると思います。

こちらも野球と同様に打つコースによっては回転の度合が変化しますし(回り込んでバッククロスに打つ場合などは回転は小さくなります)、逆に野球と違い卓球は次球に備えるため体が回り過ぎない&体勢が崩れすぎないように踏ん張る役目が重心移動させた方の足にはあります。

ですが少なくとも「打球直前~打球直後までは、スイングを邪魔しないようにしっかり重心移動させた足を回転させる」という行為が正しいことは同じです。

これも私の改善ポイントですね、一体いくつあるのやらw

以上の5点が、この動画で落合監督が説明した自身のバッティングを卓球人から分析した結果になります。

違うスポーツですが、私自身参考になる点は沢山ありました!

ちなみに、私はこんな長文記事を書いて課題も見つかり大満足のため、「お前の落合分析は間違ってる」という指摘はナシでお願いします、あっし野球素人ですから( ´∀` )

正直、落合監督のバッティング理論はまだまだ説明されていない秘密が隠されている気がするので、第1回目から【落合博満編 part2】を予告します(^_-)-☆←

乞うご期待!

ただ、この打法に関しては解説の終盤で落合監督が言った「(神主打法の)弱点は物足りないこと」&木田GMが言った「普通のバッターはこれじゃ飛ばない」というのも重要ですよね。

確かにスイングスピードを速くする工夫はいくつもありましたが、体というよりも小手先の繊細なテクニックが光る打法なので、「余計な力を入れない(≒脱力)」というポイントもありますし普通のバッターなら力のない手打ちに近いスイングになってしまい150kmの剛速球に当たり負けしてしまうというのも想像に難くない。

まして筋肉ゴリラでもない落合監督に「どうやって飛ばしてるんですか?」という疑問が出ることは必然のように感じますが・・・

それに対する解答が

ヘ(-′д`-)ゝ「練習するしかないじゃん」

とのこと・・・

いや~、この部分にも何かまだ落合監督の打法の秘密が隠されているような気がするんですがね~、part2で暴けたらいいな(遠い目)←

それにしても、一見「遠回りする手打ちスイング」が極めれば「スムーズかつ長くヘッドを動かして最大限加速できるスイング」に変わるってんだから驚きですよねぇ・・・

では、次回にご期待下さいましm(__)m

コメント

  1. ベルゼブブ優一 より:

    しろーとさま、はじめまして。
    以前から時たま貴ブログを楽しく拝見させて頂いておりました。初めてコメントさせて頂きます。
    >強い卓球選手のスイングは「体は回転していても頭はあまり動かない」という特徴がありますが、同じ理屈だと思いますね。
    この部分に気づきを頂きました。ご存知かもしれませんが、落合 博満選手自身、バッティングにおいて「頭の位置」を重視されていて、それがブレないのが良いバッターなんだということを言ってらっしゃいました。これは以下の動画から得た知識なので、よろしければご覧ください。
    https://youtu.be/v2APRmo-Jqs
    なお私も野球はそれほど詳しくありませんのでご容赦を^^;。
    そして確かに馬龍選手も顔・頭が動いていませんね。素晴らしい発見です。
    記して下さって、ありがとうございました(≧ω≦)!

  2. shirotofitness より:

    >>ベルゼブブ優一さん
    初コメありがとうございますm(__)m
    私が見た動画で言っていた「左肩をセットしたら動かさない」という部分が「頭の位置をブレさせない」に繋がっていくんでしょうね~
    スイングが大きいがミスも多い一般選手が多いのは、スイング自体はトップ選手のようにしっかり振っているものの、頭がブレまくってしまってしっかり打球出来ていないから、なんでしょうね。
    今後もこういう小さい発見もブログ記事にしていきますので、よろしくお願いします!