以前の「正しいサーブ出せてます? それ違反サーブかも……」では、実際のルールを確認するだけでしたが、今回はそのルールに従って実際に選手達がフォルトを取られた瞬間を確認していきましょう。
ちなみに前回記事はこちら
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オープンハンドはしっかりと!
1:11の馬琳のサーブがフォルトを取られます。高さも十分で垂直に上がっているように見えます。審判の英語での説明(音が小さくてよく分かりませんがw)、その後4人ともサーブのトスまでが綺麗になっていることから、「球を手で包んでサーブしてるわよ」と指摘されたと思われます(笑)
3:28のフォルト後の馬琳のサーブと比較してみると分かりやすいかも。
トスは垂直に16cm以上!
まさかの開始早々の1球目でのフォルトです。それにしても試合の一発目からフォルトを取る審判も凄いですねw
解説者が「審判がガルドシュに、球は後方ではなく上に向かって投げるようよう要求しています」と発言していますね。
実はこの試合、審判が何度も両選手に対しフォルトを取っているんです。特に2・3ゲーム目はズーフ(ポーランド人なので読み方はたぶん合ってる)に対して何度もフォルトが取られ試合が成立していない。
解説者が「oh my god(´_`)」って言っちゃうレベルですからね。
審判と解説者の英語を聞く限り、ズーフのトスが上方向じゃなくて横方向に投げすぎだからフォルトってことみたいですが・・・
3:03の松平選手のサーブに対してフォルトが取られます。トスの開始位置が台の中心部分で、打球位置が台の端の方なので、トスが曲がっているという指摘でしょう。次のサーブはトスの上げ方を注意したものになっていますしね。
これは珍しいフォルトです。
2:03のイェレルのサーブですが、審判のジェスチャーを見る限り、イェレルは球を静止させているときは肘を大きく曲げているのに、投げ上げるときは肘を伸ばしているので、つまるところ「腕を外に振りながらトスしているから垂直に投げ上げていないだろ」ということなんでしょうが、相手も困っていないでしょうから神経質すぎると思いますけどね・・・
物議をかもしたロンドン五輪の女子シングルス決勝、丁寧vs李暁霞の試合です。41:43(3セット目の2-6)の丁寧のサーブがトスが低いとしてフォルトを取られています。
トスは確かに低いですが、16cm以下かと言われれば微妙な気もするんですがね。
この試合は1セット目の6-8、2セット目の5-8、3セット目の2-6の場面で丁寧側にフォルトが出されます。丁寧のサーブトスが曲がっている、遅延行為をした、などで何回も違反が取られているんですよねぇ・・・丁寧泣いちゃうし・・・
サーブは始めから終わりまで球を隠さない!
ドイツのバウムに対しフォルトが出されまくります。審判の主張は「球が顔を横(相手からすると後ろ)を通ってるからダメやで!」というもの。結局バウムは諦めてバックサーブを出すようになりますが、実力が拮抗していたら間違いなく負けますよね・・・
ちなみに対戦相手は、去年のリオ五輪でブレイクしたナイジェリアのアルナ!
こちらの試合では、実際にフォルトは取られていないものの、5:00の譚選手のサーブに対しシュテガー選手が「お前ずっとサーブが体で隠れて見えねーんだよ(# ゚Д゚)」と抗議しています。実際にシュテガーの言い分も分かります。しかし、結局認められず。
ここから分かるのは、審判はトスが曲がっているかなどの判断はつきやすいですが、相手選手から見てサーブが隠れているかの判断はなかなかつけられないということです。検索してもあまりヒットしません。
珍しい違反行為
サーブとはあまり関係がありませんが、珍しい違反行為もいくつか見ていきましょうw
超重要な場面で、石川が「球をわざと蹴った、バットマナーだ」として2枚目のイエローカード=レッドカードを取られた有名な瞬間です。正直、意味不明です・・・
とりあえず、「カスミンを泣かすんじゃねヽ(`Д´)ノ」と言いたい←
結局このフォルトは両選手側からの抗議により取り消され、この試合自体もなんとか石川が勝利しました。
ラケットぶん投げたり、台を蹴ってはいけませんww
メイスや陳衛星が良くやりますね。
まとめ
気づいた方もいるかもしれませんが・・・
キャプチャ画像引用先:https://www.youtube.com/watch?v=gkDmFbe4npw , https://www.youtube.com/watch?v=TfzHkO7XtC0&t=497s
馬琳と丁寧にフォルトを取った審判、同じ人くさいですよね。この人や、ガルドシュvsズーフの試合を試合崩壊させた人が悪いとは言いません、一応選手たちは違反しているんですから。
問題なのは、サーブのルールが改定の結果厳しくなりすぎて、プレーに悪影響を及ぼすまでになっている点と、どこから違反とするかが審判により全く違うという点です。
「日本の審判は他の国よりフォルトに厳しい」とか、「国際大会では審判たちは開催国である自国選手に厳しい」とか言われますが、審判によって差があること自体がナンセンスですよ!
この問題点は公正なプレーをするためにも早急に改善すべきです。
最後にですが、審判とフォルトについて触れた水谷選手のブログ記事です。読んでみることを薦めます。
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コメント
シュテガーの気持ちよ~く分かります。
私は左利きで、右の選手と対戦すると大方こんな感じです。
インパクトが見えてれば勝てるとは言いませんが、不公平感で試合中に気持ちが腐ってしまう事があります。
>>許ッシン
ホントに難しい問題です。。。
ほんとに難しい問題ですよね。
一度でいいから、各国の選手・協会幹部・審判が一堂に会して、
世界中のファンからも意見を事前に募集しておいて、
公開パネルディスカッションを開催して、
とことん大討論してみたらいいかもしれないですね。
(オンライン署名とか集めたら、案外賛同者多いかも)
丁寧選手のプレーは好きなので、
味方してあげたい気持ちも山々ですが、
突然フォルトを取ってくる
曲者審判もいると知っていたはずなのに、
フォルトを取られる覚悟なしに
オリンピックの決勝でギリギリサーブを出す
というのは、正直いって不思議です。
(それまで一度も曲者審判の試合を
観戦したことがなかったのだろうか!?)
サーブフォルトで真っ先に思い出すのは、
2014年の世界卓球団体戦女子準決勝、
日本対香港の第三試合です。
(テレビ東京卓球チャンネルにアップされています。
第4ゲーム7-2の場面、1時間49分34秒あたり)
フォルトをとられた呉穎嵐選手だけでなく、
平野早矢香選手の方もびっくりしているところが注目されます。
このときの審判は、1度目は注意して、
2度目はフォルトをとりましたが、
グレーのものはスルーして、
完全にアウトのものだけ見極めて
コールしていたようにみえます。
カスミンを泣かせた審判とは違って、
「公平オーラ」を発散していて、
個人的には最も好印象の審判です。
結局のところ、文句のつけようのないサーブを
ちゃんと毎回出している選手も
大勢いるわけですから、大事な場面で
絶対にフォルトを取られたくなかったら、
グレーサーブを出す権利なんて考えないで、
審判のフォルトは、「抜き取り検査」
もしくは「警察の(道交法)違反切符」
みたいなもんだと観念して、
誰が見てもルール通りのサーブを
常に出すよう心がける他ないのでしょうね。。。
追記
丁寧選手は、因縁の地であるロンドンで開かれた
昨年のワールドカップ団体戦決勝のダブルスでも、
注意を受けた上でフォルトを取られましたよね。
あの試合では、早田選手も注意を受けましたし、
伊藤選手もトスが後ろに曲がっていました。
良い悪いの問題というより、なぜ決勝戦なのに
フォルトを取られることへの警戒感がないのか、
つくづく不思議です。
それに比べ、劉詩文選手は、
ダブルスでもシングルスでも、
クリーンにサーブをしている気がします。