ULTRA MAXという新しいコンセプトでもってandroから大々的に発売されたラザンターですが、やっと市場に出回りレビューがちらほら聞こえてきました。
私の周りにも使用者が増えてきて実際に打つ機会もできたので、今回は話題のラザンターのR47とV47の試打感想を書いていきたいと思います。自分のラケットに貼って長期間試打したわけではないので若干フワっとしたレビューとなってしまいますが、ご容赦ください(笑)
ちなみに、試打には卓球ブロガーのリンさんにも協力していただきました。ありがとうございましたm(__)m
↓リンさんの卓球ブログはこちら↓
ラザンターの特徴を整理
まずは何と言っても、2.3mmの極厚スポンジでしょう!
今までも2.2mm以上のスポンジを採用したラバーは存在していましたが、最新ドイツスピンテンションラバーにおいて採用されたのは初めてではないでしょうか。
また、スポンジを厚くすることに加えて、ラバー全体の厚みが4mmを超えないように、トップシートが薄くなっています。これによって厚さ制限がクリアできるだけでなく、重量の軽減、回転のかけやすさが生まれるなど、まさに一石三鳥!!
実際に、重量に関してはR47(ULTRA MAX)で50g程度と、45度硬度のラザントグリップと同じくらいに抑えられています。軽くはないけど、適度な重さに収まりましたね。
余談ですが、卓球のラバー製造は基本的にラバー工場への委託の形を取り、また工場の数は非常に限られているため、一つのメーカーが技術を独占するというのは難しいのが現状です。実際にandroのラザンター発売から間髪入れずに、DONICからブルーストームという同様に2.3mmと薄いトップシートを採用したラバーの発表がされました。
↓ブルーストームZ1のレビューはこちら↓
ドイツラバーがすぐに同じようなラバーが各社発売されるのに対して、テナジーそっくりなラバーが発売されないのは、バタフライが自社で工場を持ち製造をしているからってのが大きいんですねぇ~。
RシリーズとVシリーズの違い
スポンジはどうやら共通のようで、トップシートの構造で違いを出しているようですね。
画像を見てもらうと分かるように、Rの方がVに比べて粒が太く、粒同士の感覚も狭いです。
この違いによって、Rはより回転をかけやすくなり、逆にVは食い込みと球離れが上がりスピードが出しやすい、という設計になっています。また、弾道もRの方がVよりも弧線を描きやすくなっています。
では、ここからは私が実際に打った感想を書いていこうと思います。
ラザンターR47の試打感想
《用具の組み合わせ》
2.0mm:スワット
2.3mm:コルベル、ティモボルALC
まず驚いたのが、弾みがとても良い!
前作のラザントグリップよりも明らかに弾み、テナジー05やファスタークG-1よりもスピードは出しやすいと感じましたね。軽い力で飛んでくれるので、ラリー重視の人には持って来いのラバーです、間違いない!
ただ、弾道がやや直線気味なので飛距離を出す際は、打ち方を少し調整する必要がありそうです。上手くいくと低くて深いスピードボールが出せます。
逆にループドライブのようなグッと回転をかけたい時は少し球離れが早いかな・・・。シートの厚いラバーはシートで掴んでくれるし、テナジーはラバー全体が球をホールドしてくれる感覚があるんですが、ラザンターは、滑りはしませんが、一瞬掴んだ後すぐに飛ばしてしまう感じです。私はループはゆっくり飛ばしていきたいタイプなので、ラザンターだと自然にピッチが上がってしまう感じがしました。
飛ばしやすさと同じくらい驚いたのが、厚いスポンジ&薄いシートのおかげで生まれた、47度を感じさせないマイルドな打球感です。非常にコントロールがしやすい。
ラザントグリップに対応する45度の硬度がラザンターには存在しないので、ラザントグリップユーザーは次にどのラバーを使えば良いか迷っていた人も多いかと思いますが、ラザントグリップが硬いと感じる人でなければ、R47は十分に扱えると思いますね。
逆に、この感覚でいくと、ラザントパワーグリップユーザーはR50でも満足できないと思いますね。エボリューションMX-Sとかが代替ラバーになるんでしょうか・・・。
ドライブを打った時に感覚は、ほんの少し硬くなったラクザXsoftに似ています。そこから更に弾みがもう1~2割増した感じ。
ラザントグリップと比べると、似てはいると思いますが、正直ラザンターの方が楽に良い球が出ますねw
弾みは明らかに向上しているんですが、回転量は特に増えてません。R50でも、硬くない分、MAXの回転量はラザントパワーグリップと比較すると落ちていると思いますね。テナジー05の方がどの技術も回転がかかります。
その上で弾みは上がっているので、すこーし球は軽くなっている印象を受けます。弾みの良くないラバーと比べると、ラザンターの弾みの良さが威力に繋がっていると感じるのですが、同じくらい簡単に良い球が出るテナジー05などと打ち比べると、球は少し軽い感じがします。
また、ラザントグリップの時には弾みがここまで良くないので回転をかけきって飛ばせたんですが、ラザンターの場合はどう打って90%くらいまでしか回転をかけきることができない、という感覚でした。恐らく、ポテンシャルを100%発揮するためには、相当なスイングスピードが要求されるのでは。
まあ、100%の球でなくても、十分な球が出るんですけどね( ´∀` )
ですが、回転量が少ないわけでないですし、非常に“回転がかけやすい”です。
勝手にかかってくれるので非常にラクにプレーできます。100%の球を出すのは難しいけど、70%の球を出すのは簡単、みたいな。こういうところもラクザXと似てますね。47度のラバーの中で回転は一番かけやすいのでは。
球自体は素直なので、深く入ってくることに慣れれば受け手からすると取りやすい球になってしまいますが、これは仕方ないでしょう。
コルベルのようなコントロール重視のラケットと合わせる場合はラリー重視でミスをしない卓球、ティモボルALCのような弾むラケットと合わせる場合は前中陣で一発で決めに行くスタイル、のようにコンセプトのある卓球をした方が、よりラバーを生かしやすいでしょう。
あと、自分には微妙に感じられたのが、台上技術です。
ドライブを打ってみて「これだけ弾むと台上は大丈夫か?」と心配になりましたが、想像以上に抑えは利きました。ただ、”弾みの割にはやりやすい”というだけで、普段粘着ラバーを使っている自分からするとどの技術も全体的に長くなりがちで、止めるので精一杯、回転をかけて止めるのは厳しい気がしました。
弾みが良い、回転の影響を受けやすい、シートが薄い、ということで台上に関しては従来のシートが厚いラバー群の方がやりやすいと思いますね
ラザンターV47の試打感想
《用具の組み合わせ》
2.0mm:水谷スペシャル
素材ラケットにしか合わせていないので正確なことは言いづらいのですが、個人的にはバックでの利用ならR47より断然V47と感じました。
まず、球離れが良いので軽打でも飛ばしやすいです。R47を飛ぶラケットに貼った場合は、勝手に飛んで行って回転をかけて打たないとコントロールが難しい印象でしたが、V47の場合はどんな打ち方でも比較的コントロールが利きます。
また、非常にミートの感触が良いです。R同様、球が勝手に走ってくれるのに加えて、Vの方が弾いた時にイメージ通りに飛んでくれるので、扱いやすいです。今までのラバーの感覚に近いというか。
R47もどちらかと言うと直線弾道気味に感じられましたが、V47はそれよりも直線的に飛んでいきます。なので、下回転打ちの難しさは感じますね。上回転のラリーでも中陣以降だと少し打ちやすさは低下するかなと。ネットミス注意。
Rは飛びが良いので中陣くらいからドライブをバンバン打つスタイルに向いていると思いましたが、V47は前陣主体のピッチで攻める人にオススメですね。コントロールが良く飛ばしやすさも持っているので、かなりの人が気に入ると思いますね。
ただ、こちらもRと同様で、回転量で攻めていきたい人には向いていないかなー、と。台上でぶった切るよりは、払ってからラリーの展開に持っていった方がこのラバーの良さを生かせると感じます。
まとめ
ラザンターは発売前プロモーションが盛大に行われていたため、過剰な期待がかかって「思ったラバーと違った、テナジーの方が凄い」みたいな声も聞こえますが、かなり良いラバーだと感じました。
どれかの技術に特化させるのではなく、扱いやすさがグンと上がったハイエンド高バランスラバーという感じです。特に47度とは思えない扱いやすさは多くの人に受け入れられると思います。45度のラバーを打っている感覚です。「簡単に良い球が出る」という部分ではテナジーとも張るのでは。
私もラリー重視だったらバック面はV47に変えていたかもしれませんw
一応テナジーよりは安いですから、この扱いやすさ、トップ選手の移行は少ないかもしれませんが、中級者からの移行はかなり増えるのでは、と予想します。
できたら、ラザントと同じくらいの値段にして欲しかったけどね(´・ω・`)
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